老化研究へ投資しているキープレイヤーたち(1)
今回は老化分野に投資を行っている中で、キーマンと思われる人々についてご紹介させていただきたいと思います。
1. Aubrey de Gray
老化研究においては第一人者のような存在で、海外の老化に関するセミナー等では必ずと言っていいほど、彼が登壇します。
YouTube等でも彼の講演の模様は見ることができます。彼は、TEDにも複数回登壇しており、中には50万回以上再生されているものもあります。
投資という観点では、彼はメトセラ財団とSENS Research Foundationの創設者です。
メトセラ財団はメトセラファンドというVCを傘下に持っています(投資規模は不明)。
SENS Research Foundationもベンチャー投資を行っており、2018年は約1.1億円の出資をしたと推定されます。(詳しくは下記の記事をご参照ください)
2. Laura Deming
彼女も老化研究への投資においてはとても有名人です。1994年生まれで現在26歳であり、次世代のベンチャーキャピタリストとしてとても注目されています。
もともとはニュージーランドに住んでいましたが、老化研究がやりたいということで、14歳の時にMITのラボで働き始めたという経歴を持っています。
その後、ペイパル創業者が出資しているビジネスコンテストに老化研究に特化したベンチャーキャピタルというアイデアを提案したところ、優秀者に選ばれたのでその事業家のためにMITを中退しました。
彼女のお父さんが投資銀行に勤めていたということで、もともと投資に興味があったそうです。
現在、彼女はlongevit fundというVC会社を運営しておりAge1(約22億円)というファンドを運用しています。
3. Sonia Arrison
彼女は「寿命100歳以上の世界」という本の著者としても有名です。この本では人間の急激な長寿化が社会的、経済的、文化的に与える影響を取り上げています。
現在では、起業家および投資家として活動しており、100Plus Capitalという長寿社会に焦点を当てたVCファンドを運営しています(投資規模は不明)。
Aubrey de GrayやLaura Demingなどとセミナー等で対談している動画もよく見かけます。
動画等を何本か見た個人的な感想ですが、Aubrey de GrayやLaura Demingは研究者出身で時に熱く情熱的なイメージがあるのに対して、Snia Arrisonはアナリスト出身ということもあってか、いつも冷静なタイプです。しかし、会話は知的で面白いイメージあります。
4. Nils Regge
彼は、長年ベンチャーキャピタルサイドで経験を積んだ人物で、Apollo Venturesの共同設立者です。Apollo Ventures(投資規模は不明)は老化に特化したVCで拠点はヨーロッパにあります。
注目すべきは、前に挙げた3名はそれぞれ異業種から投資家として参入していますが、
彼の場合は長年VCでキャリアを積んできた点かと思います。
このように老化研究への投資にはさまざまなキーマンがいるので、こうした人々の活動をチェックするとともに、ほかに重要なプレイヤーがいないかについても引き続きアンテナを張っていきます。
参考サイト