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丸の内金融が考える不老不死へのサイエンス

日本におけるバイオVCの不在は問題ではないだろうか?

今回は日本のVC業界について、私が常日頃から考えていることを書いていこうと思います。日本には多くのVC会社がありますが、その現状には問題点がいくつかあると思います。今回は3つの問題点について取り上げていこうと思います。

 

①村社会であること

田舎の村のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

あくまで外から見た個人的意見にはなりますが、VCは排他的な雰囲気があり、仲の良いVC同士でつるんでいるというようなイメージがあります。したがって、VC間の人材のヘッドハンティング等も他社のVCに遠慮してあまり進んでいないと思われます。

しかし、本来あるべき姿とは優秀な人材ほど、他社から声がかかるような環境ではないでしょうか。成長していく産業ほど人材の移動も流動的であると思います。

例えば、IT業界では良いエンジニアはすぐに他社にヘッドハンティングされることでしょう。そこには他社への遠慮などという概念はありません。VC業界も馴れ合いではなく、ファームごとの競争の意識を持つべきではないでしょうか。

 

②海外への投資が積極的ではないこと

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各社のポートフォリオを見れば分かりますが、海外への投資があまり積極的ではありません。一方で、海外VCを見てみると、アメリカのVCであっても欧州のベンチャーに出資するなどグローバルに活動の幅を広げています。出資先候補を探す段階でも、日本の企業ばかりを探しているより、海外にも目を向けて調査を行うほうが、企業数も多くなりますし、良いスタートアップに巡り会える可能性も高くなることでしょう。また、国内の出資先企業と海外企業の連携を促進することで、新たなビジネスチャンスを創出できる可能性もあります。

だからこそ私は日本のVCがもっと海外にも目を向けるべきであると考えます。

 

③バイオに特化したVCが少ないこと勉強が分からない女の子のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

国内VCはどうしてもITセクターにポートフォリオが偏っている状況があるかと思います。国内VCの中でバイオが強いイメージのある会社は私の知る限り、以下の通りです。

・Beyond Next Ventures
・大和企業投資
・ニッセイキャピタル
三菱UFJキャピタル
・新生キャピタル
逆に言えば、これらの会社以外は、バイオ業界へのノウハウが不足しているためか、参入ができていない現状があるかと思います。
この原因はいろいろあるかと思いますが、大きな原因の一つとして、バイオ人材の不足が挙げられるのではないでしょうか。
VC業界の多くは、投資銀行もしくはコンサル出身者が占めています。しかし、彼らに理系のバイオ知識があるかと言えば、おそらくほとんどの人がないことでしょう。
一方で、転職サイトなどの求人を見てみても、バイオのバックグラウンドを持った人材のVC求人は、とても少ないのが現状です。
内部にいる者がバイオに詳しくなく、外部からも人を採用する訳でもないため、日本のVC各社がバイオに弱いのはある種当然のことかと思います。
 
逆にこの問題点の重大さにいち早く気づき、バイオ系の人材を集めることに成功したVCは今後勝ち組となれるのではないでしょうか。最先端のバイオ研究に対する専門性と高度な知識が問われるからこそ、それが参入障壁となって、独占的な勝ち組の地位を築けるのではないかと考えています。