2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
前回好評だったバイオプリンターの特集の2回目です。 今回はある研究所が中心となって開発した技術を紹介していきます。 1回目の記事はこちら。 longjevity.hatenablog.com Terasaki Institute 日系2世で臓器移植の分野で著名な科学者であったPaul Terasa…
今回は本人の特性や周りの環境と長寿の関係を調べた研究をご紹介します。 参考文献: IJERPH | Free Full-Text | Environmental Correlates of Reaching a Centenarian Age: Analysis of 144,665 Deaths in Washington State for 2011−2015 | HTML この研究は…
血液の液体部分を血漿と呼びます。カリフォルニア大学バークレー校の研究者たちが、古い血漿を希釈することで老化を遅らせることができることを発見しました。 参考: https://www.sciencetimes.com/articles/26069/20200616/diluting-blood-plasma-albumin-s…
今回は、DNAメチル化のバイオマーカーについて、その臨床開発は道半ばであるという記事がありましたので、ご紹介させていただきます。 参考 https://elifesciences.org/articles/58592 寿命のバイオマーカーの一つの候補として、DNAメチル化の測定という手法…
今回は老化研究に投資している著名投資家ら、業界の重要人物をご紹介する回の第二弾です。 前回記事はこちら longjevity.hatenablog.com 前回は4人目までご紹介しましたので、今回は5人目からご紹介していきたいと思います。 5. Greg Bailey 彼は、老化に…
今回は生命科学というアプローチではなく、健康科学的なアプローチを記事にしてみたいと思います。 テーマは高血圧です。高血圧は、先進国の三大死因の一つである心臓病の原因です。直感的にも高血圧を防ぐことは健康に強い結びつきがあることは容易に想像で…
iPS細胞研究基金をご存知でしょうか。 京都大学の山中先生が運営しているiPS細胞研究所の資金を賄う目的で設立された基金です。今回は、この基金のご紹介とそのお財布事情を分析していきます。 〇基金の目的は? 日本の科学研究の問題点として、お金の問題が…
バイオ3DプリンタのスタートアップであるAspect Biosystemsが20億円の資金調達をしたというニュースが最近ありました。そこで、今回はバイオ3Dプリンタについて取り上げていきたいと思います。 〇バイオ3Dプリンターとは? バイオ3Dプリンターとは3Dプリンタ…
今回は老化分野に投資を行っている中で、キーマンと思われる人々についてご紹介させていただきたいと思います。 1. Aubrey de Gray 老化研究においては第一人者のような存在で、海外の老化に関するセミナー等では必ずと言っていいほど、彼が登壇します。 You…
老化研究にはポテンシャルが大きく、これからの市場規模の拡大は目覚ましいものとなると考えています。これは、私の個人的な思い込みではなく、老化研究に投資している海外のVC投資家がそろえて口にしていることです。 しかし、老化研究に関して科学者サイド…
今回はSENS Research Foundationについて、 お金に関する側面から分析していきたいと思います。 参考にした資料 https://www.sens.org/wp-content/uploads/2019/11/2018-SENS-990-Public-Copy.pdf https://www.sens.org/wp-content/uploads/2019/05/SENS-Res…
前回の記事でも、老化研究において、バイオマーカーの確立が重要であるという話はさせていただきました。老化のバイオマーカーにはDNAメチル化やテロメア長の測定など、いくつか手法があります。 そんな中、眼球の水晶体を測定することがバイオマーカーにな…
今回は、DNAメチル化のスタートアップ企業が11億円の資金調達をしたという記事について解説していきたいと思います。 原文: https://www.longevity.technology/dna-methylation-start-up-launches-with-11m/ Base GenomicというDNAメチル化技術の開発をして…
老化研究において、宿主がどれくらい老化したかを判定するバイオマーカーは非常に重要です。老化を改善する技術ができた場合に、実際にその効果があるかどうかを確かめるにはバイオマーカーを使用が不可欠だからです。 しかし、老化のバイオマーカーはあまり…
今回は日本のVC業界について、私が常日頃から考えていることを書いていこうと思います。日本には多くのVC会社がありますが、その現状には問題点がいくつかあると思います。今回は3つの問題点について取り上げていこうと思います。 ①村社会であること あくま…
産業用ロボットの発展が工業化を劇的に変化させ、私たちの暮らしを豊かにしてきました。 しかし、製薬の分野でロボットを作りだすことはできないのでしょうか。自動的に体内を探索したり、損傷箇所を修復してくれるような生体用ロボットが活躍する時代は来な…
人類が老化を克服するために必要な10のことという面白い記事がありましたので、 日本語訳してまとめておきます。個人的にとても納得感のある部分もあったので、ぜひ原文を一読してみる価値はあるかと思います。 原文: https://www.longevity.technology/the-…
現代の生命科学研究では、データサイエンスを使う場面も増えており、遺伝子情報などの大規模なデータベースが公開されていると重宝されます。 そして、老化分野におけるデータベースとなっているのが、Human Ageing Genomic Resources (HAGR) https://genomi…
テロメアは私たちの細胞の寿命と言われています。 複製のたびに末端が削れていき、やがて細胞分裂ができなくなります。 テロメラーゼ(テロメアを維持・再構築する酵素)の秘密を解き明かし、生命の延長と維持に役立てることは、2009年にノーベル賞を受賞し…
今回から、バイオベンチャーに関する情報発信もしていこうと思います。 第1回目の今回は、幹細胞&デバイス研究所 (https://scad-kyoto.com/) です。 この会社は、京都大学物質‐細胞統合システム拠点(iCeMS)で取り組まれてきた研究の成果を実用化すること…