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丸の内金融が考える不老不死へのサイエンス

不健康の人でも血圧をコントロールすれば余命が延びる!?

今回は生命科学というアプローチではなく、健康科学的なアプローチを記事にしてみたいと思います。

テーマは高血圧です。高血圧は、先進国の三大死因の一つである心臓病の原因です。直感的にも高血圧を防ぐことは健康に強い結びつきがあることは容易に想像できるかと思いますが、高血圧はさまざまな加齢に伴う病気の原因となり、やがては死を引き起こします。

今回は大規模なリサーチから血圧のコントロールと余命の関係を調査した実験をご紹介します。

この研究によって、処方された通りに血圧の薬を服用することで、実験当初に健康であるか不健康であるかにかかわらず、生存率の向上が見られることが分かりました。

 

参考: https://newsroom.heart.org/news/blood-pressure-medications-help-even-the-frailest-elderly-people-live-longer

 

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この実験は、イタリアの被験者の130万人のデータベースを解析することで行われました。研究者たちは、2011年から2012年に3回以上の高血圧治療薬の処方を受けた北イタリアのロンバルディア地方の65歳以上の約130万人(平均年齢76歳)のデータについて検証しました。

研究開始時点での被験者の健康状態を健康状態を良好、中程度、不良、非常に不良の4つのグループに分けて7年間分のデータ追跡を行いました。その結果、血圧薬の服用率が非常に低い人(調剤された錠剤の服用率が期間の25%未満)と比較して、血圧薬の服用率が高い人(服用率が期間の75%以上)は7年間の生存率が向上するというデータが得られました。

この結果は初期の健康状態が「良好」であった人で最も顕著で、死亡率が44%減少しました。また初期の健康状態が「非常に不良」であった人でも死亡率が33%減少しました。

 

このように血圧のコントロールは高齢者になってからも非常に大切のようです。高齢のご家族がいる方は、まずは血圧の測定を習慣づけるように促すところから始めてみても良いかもしれません。