バイオベンチャー紹介 vol.1 幹細胞&デバイス研究所
今回から、バイオベンチャーに関する情報発信もしていこうと思います。
第1回目の今回は、幹細胞&デバイス研究所 (https://scad-kyoto.com/) です。
この会社は、京都大学物質‐細胞統合システム拠点(iCeMS)で取り組まれてきた研究の成果を実用化することを目的として、2014年5月に設立されました。
この会社の強みはIPS培養の配向デバイスです。緻密に配向制御したナノファイバー上で培養することで心筋細胞の形成を可能にします。
現在のiPS細胞技術では2次元シート状構造が限界で、3次元的構造の形成がとても難しい状況です。
しかし、こうしたデバイス技術の開発によって、将来的には臓器などの複雑な3次元構造の形成も可能になるのではと期待しています。
また、投資の側面から考えると、こうした研究の支援事業をメインに技術開発している会社は経営基盤の安定感があると思います。
新薬開発をしているバイオベンチャーの場合、臨床試験を通過して実際に薬が売られるまでは、原則として売上が発生しません。また、治験の失敗によって将来見込んでいた売上が一気にゼロになり、金融機関からの融資が受けられなくなることで、資金繰りが悪化するケースも多いかと思います。
一方で、こうしたデバイス開発の場合は治験が不要のため、売上が発生するまでの時間が圧倒的に早いです。また、治験失敗によるリスクも考える必要がありません。
このように技術面・ビジネス面の両面から見ても魅力的な可能性を持った企業なのではないかと考えています。