DNAメチル化のスタートアップが11億円の資金調達
今回は、DNAメチル化のスタートアップ企業が11億円の資金調達をしたという記事について解説していきたいと思います。
原文: https://www.longevity.technology/dna-methylation-start-up-launches-with-11m/
Base GenomicというDNAメチル化技術の開発をしているイギリスの会社が約11億円の資金調達に成功しました。
DNAのメチル化はエピジェネティックな変化と呼ばれており、老化と密接に関係しています。近年では、DNAメチル化をバイオマーカーとして、老化を測定しようという研究やDNAメチル化制御によって老化をコントロールしようという研究が盛んに行われています。
そんな中で今回、DNAメチル化に関する技術開発を行っているスタートアップが巨額の資金調達を成功させたことは、大きな意義があると思います。
さて、Base Genomic社の技術について少し開発していきます。
同社はDNAメチル化の検出に際してTAPSという技術を開発しました。
これまでのDNAメチル化検出は重亜硫酸塩シーケンシングという方法が主流でしたが、TAPSはさまざまな点で、従来の手法を上回っています。
TAPSによってより多くのDNAのメチル化検出が可能になり、長い塩基配列でも測定可能になりました。また反応の効率性もよく、価格も従来の半分程度で済むとのことです。
このTAPSの登場によってDNAのメチル化研究がさらに進むことを期待したいと思います。
また、同社は今後、検査技術のTAPSだけでなく、DNAメチル化を制御する酵素の開発も行っていくとのことです。
ここからは私の個人的な興味になりますが、こうしたバイオベンチャーを創業した人はどのような経歴なのかということが気になり、少し調べてみました。
同社のCEOは上の写真のOliver Waterhouseという方です。
彼は、マッキンゼーで医薬品業界のコンサルティングに従事したのち、Zinc VCというベンチャーキャピタルで、10以上のデジタルヘルスの会社の創設に携わったとのことです。その後、Base Genomicを立ち上げています。
自身がVC出身ということもあって、資金調達なども上手だったのかもしれません。
経歴を見ても、コンサル経験もありビジネスサイドには長けている方だと思われるので、投資家としても安心感を持てる気がします。
日本のバイオベンチャーでも、こうしたVC出身の方が起業するような時代になれば良いなと考えております。そのためにも、日本のVCは人材を広く集めて、バイオ業界についての知識をもっと獲得していかなくてはならないのではと思います。