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老化時計を求めて 眼球のレーザー測定がバイオマーカーに!?

前回の記事でも、老化研究において、バイオマーカーの確立が重要であるという話はさせていただきました。老化のバイオマーカーにはDNAメチル化やテロメア長の測定など、いくつか手法があります。

 

そんな中、眼球の水晶体を測定することがバイオマーカーになりうるという研究がありましたので、本日はこれをご紹介させていただこうと思います。

 

ちなみに水晶体とはこちらの部分です。

代表的な眼の病気|アイガンUV420

 

まず、加齢によって体内のタンパク質の構造が変化していきます。

以下の図が分かりやすいかと思います。

 

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そして、体内に蓄積されたこうしたタンパク質の量を測定すれば、老化を測定できるという原理です。

眼球の水晶体にも、こうした老化によって変化したタンパク質が蓄積されており、レーザーによる測定で老化を計測できるとのことです。

 

研究チームも言っていますが、この手法のメリットは非侵襲的手法であることです。DNAメチル化の測定やテロメアの測定には血液サンプルが必要となりますが、この水晶体測定では不要です。レーザーを照射するだけなので、計測にかかる時間や金銭的コストも従来の手法よりも少なくなることでしょう。

 

直感的には、眼球の測定だけで体全体の老化が果たして本当に反映されているのかという疑問は残りますが、少なくとも加齢黄斑変性などの目の疾患予防にはとても効果的でしょう。

ビジネス化する際にも、まずは眼科領域での予防検査装置の開発という選択肢は現実的だと思います。

引き続き研究を続けてもらい、画期的なバイオマーカーの構築につなげてもらいたいと思います。

 

文献のリンクは以下になります。

academic.oup.com