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【第2回】バイオベンチャーのビジネスモデル ~バイオベンチャーの収益構造~

今回はバイオベンチャーのビジネスモデル特集の第2回目として、バイオベンチャーのお財布事情を解説していきたいと思います。

 

前回の記事はこちら

 

さて、前回の記事ではバイオベンチャーと製薬会社では住み分けができており、臨床試験がある程度進んだ段階で両者は協力体制に入ることをお伝えしました。

今回は、バイオベンチャーの収益構造について解説します。

 

まず、バイオベンチャーの収入については、以下のようなパターンがあります。

  • 契約金 製薬会社と契約をする際にもらえます。
  • マイルストーン 臨床試験の開発段階が進むと貰えるボーナスのようなものです。

  • ロイヤリティ 薬の売上に応じてもらえます。印税収入のような感覚に近いです。

一方で、支出については以下の通りです。

  • 研究開発費 バイオベンチャーの支出の大半はこの研究開発費です。

さて、これらの収入・支出の様子を図示すると以下のようになります。

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これをご覧になって分かる通り、開発の初期段階は多くのバイオベンチャーが赤字になってしまうのです。

 

それでは、この赤字の期間をどうやって耐えているかというと、多くの場合は投資家に出資をしてもらうことで、何とか切り抜けています。ご存知のようにバイオベンチャーは成功すれば、何百倍も利益を得られる産業ですので、自分たちの持っている技術がいかに将来有望であるかを投資家に説明して、出資をしてもらっています。東証に上場しているバイオベンチャーであっても赤字企業はたくさんあります。したがって、バイオベンチャー側には、自分たちの技術を投資家に分かりやすく説明するという高いプレゼンテーション能力も必要であると言えます。

また、一部のバイオベンチャー創薬支援や研究支援という形で、試薬の製造解析業務の受託などをして稼いでいる会社もあります。しかし、もともと人員も豊富ではないため受託ばかりで本来の研究開発がおろそかになってしまっては本末転倒です。このあたりのさじ加減も適切にコントロールする経営能力も必要になり、バイオベンチャーを管理することは他産業の経営に負けず劣らず難度の高いものといえるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。当ブログでは引き続き、老化研究・バイオ投資に関して、皆様のお役に立てるような情報を発信していきたいと思います。取り上げてほしいテーマなどがございましたら、お気軽にコメントもしくはTwitterまでお問い合わせください。

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